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美院  ]  2008.07.10 16:15:31    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる 夏休み@2008
帰ってきました。
増額分の奨学金も無事にもらって、銀行に入れてきました。
8/27にまた中国へ戻ります。
ふう……日本の空気美味しい。水うまい。街が静かで、整ってる。
きっちりな日本ってスバラシイ。
何とか一年がんばりました。
この一年は基礎の一年で、摸写と写生ばかりしてました。
中国の摸写は、筋トレ。
数をこなして、難しいのやって……筆で絶妙な描写をするには、とにかく腕と指の細かい筋肉がしっかりしてないとダメだとわかりました。
これは剣道やってたことが、かなりいい方向に働いてる。私のこの一年は、部活の一年がやるみたいな、一見理不尽だけど、すごく大切なプロセスだったと思う(本当はもっと若い時に経験すべきことだ……)。摸写して筋トレして、気持ちの乗ってる線がかけるようになって、はじめて先生の面子のたつ卒制が描けたり、職業画家のスタートラインにたてるのだろう。このことを学部から留学しておられる日本人の書法の博士さんに話したら、深くうなづいておられました。描いて筋トレすれば、同時に頭の中のGPUも鍛えられるし、慣れれば楽しいし。
とにかく、心・技・体が一致して、はじめて物質世界に、創作物が生み出せるわけなんですね……現代日本は、はかなり高度に発展してるけど、の部分をまーったく忘れてる作家が多いかも。は……心もヤバイか。
うちの先生が目指してるのは、文人の心と、伝統の技と、工筆の体を融合させることにあるんだろーな。この点で言うと、中国は心と技が弱い若者が多いんだろうな……。
夏に宿題やって充電して、あと2年、体に気をつけてがんばろ。
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美院  ]  2008.06.27 05:11:07    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる 2周目クリア!
何この気持ち?
強いメンツに混じって麻雀打ってて、配牌がクソであきらめがちに好牌先打で手堅く流し打ちしてたら、いつの間にかいい感じになって、南場の南家で南がドラで暗刻、三色同順、混全帯么九、海底撈月で、オマケに対子に槓ドラがのっかって、数え役満ツモってたみたいな……。
祝 八十七神仙図巻 2周目 摸写完了♥
線の表現が貧弱すぎて、どうしようもなくて、先生から八十七神仙図巻の摸写を全部やることを課題として出され、何とか終わらせた時、調子に乗って、もっと同じようなタイプの摸写をやりたいといったら、2周目を言い渡され、ランナーズハイにも似た心境のまま、あの理不尽な模本と1ヶ月半、再び戦ったわけですが、腱鞘炎の爆弾をなだめすかして、期末検査の前日に終わらせることが出来ました。
日本みたいなあげ写しでなく、透き写しだったわけですが、模本が目の前と紙の下の両方にあったので、虫眼鏡で模本を眺めつつ、「臨」な視点をあわせたり、細部はやっぱりやり慣れた残像を使ったので、様々な意味から「臨摸」したと言って良いような気がいたします。……でもまだ、先生の言う「これを2周やったら中国人の絵に文句を言うことができる権利をゲット」からは遠いです。確かに、文句の付け所が明確にたくさん見えるようになったけど、自分の絵にもそれ以上のチェックポイントが増えたので、謙虚なサムライとしては、いつまでも、まわり全てが先生と言う気持ちでがんばるしかないなー、と思います。
今回、鬱にもならずに摸写が終わったのは、徒歩3分以内でベッドから、24時間全曜日解放独占使用状態のアトリエに行ける素晴らしい環境もありますが、やっぱり、サプリメントがでかい、と思う。
普通にアメリカから通販で買った、マルチビタミンと頭にいいサプリメントを毎日欠かさず飲んでいただけなのですが、怖いほどイスに毎日長時間続けて座っていられる集中力は、きっとコレによるものだと思う。
ちゃんと日本人の栄養所要量を計算して、アメリカ人用のフツーのサプリを調節して飲んでいるだけですが、貧相な食生活を補ってあまりある気がします。マルチビタミンは女性用の、頭にいい方は、Extension IQなんつー名前ですが、ふつうにあたまが必要としてる栄養と植物由来の成分が入ってて、別に危ない薬物ではないです。疲れている時は、カフェインのカプセルで無理やり覚醒状態になったりしてたけど、コーヒー飲むより安くて体にいい気がする。
後半からはお香やアロマの影響力も、いい方向に働いた気がします。朝にチベット香をアトリエで焚くと、目が覚めてスッと摸写モードに没入できるし、寝る前に部屋でアロマオイルをくゆらせると、緊張が解けてリラックスして気持ちよく休めたり。逆にインド香はケミカルがきつく感じるようになって苦手になったり、普通の食品や化粧品なんかの合成香料が気になるようになってしまった……。
とにかく、2年めは講義も無いし、もっと摸写と写生をやって、バンバン創作するぞー。
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美院  ]  2008.06.14 14:23:17    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる すぎゆくひびのもろもろ
臨模ばかりしてて、今日が何日か忘れていました。
きのう、学校の表具屋に裏打ちを頼みました。10m×1mで300元。頼んだ時に、淡彩の墨絵の大きい絵を裏打ちし直していた作業中だったのですが、見なければ良かった……継いである紙を剥がす時の作業が荒すぎて、絵が思いっきり破れていたのか、それとも破れた大きい絵を修理していたのかよくわかりませんが、日本の装潢師さんたちの非常に繊細な心遣いを知ってるので、絵の扱いに鳥肌が立ちました。それでなくても、中国は糊に添加物や明礬をたくさん入れるので、なるべく自分で裏打ちをやっていこう思っていたのですが、大きいものは時間的にも場所的にも無理だったので、やむをえずお願いしました。 とりあえず、しわがなければよしとしなければ……
いろいろ理不尽なニュースがあります……日本人として、日本画を学び、そして文化財保存学について学んだということは、今の時代、かなり大きな意味があるのではと思います。ほんとうに、日本、どうなっちゃうのだろう……。
きのう、眠れなくて本を読んでいて、ものすごい衝撃を感じ、ひとりの胸には留めておけないのでここに書きます。
その風貌を真似する人も多いという美院の人気教授の博士論文の前文に、こうありました。
もし乾隆大帝がイギリスの使節団の双方に平等な貿易の要請を受け入れていたら、もしイギリスの使節団が帽子を脱ぐ礼ではなく、三跪九叩の大礼をもって乾隆大帝に謁見していたら、乾隆大帝に袖のひと払いで退出させられることもなく、中国はもっと早くにイギリスと国交を結び、史実よりも200年前には工業革命の恩恵を受けられて、中国の歴史にアヘン戦争が記されるようなことは無かったであろう。
さて、この文の中で誰がいちばん責任が重いのでしょう……
えっと、イギリスの使節団って、女王陛下の代理だよね……三跪九叩って、臣下の礼だよね……13世の雪の国の法王猊下も西太后に三跪九叩するのを拒否したよ……日本だったら「かのものども、ひのもとのしきたりをぞんぜぬゆえ、ごぶれいひらにおゆるしねがいます」なんて介添え役がひと言のべたりして、「かまわぬ、これがとつくにのれいぎであるか。くるしゅうない。らくにせよ」なんてことになると思いますが……それよりも、清朝って漢族の王朝じゃないよね……えっと、その人気教授は浙江のひとで……同じ街の出身の古代漢語の先生は、楚の屈原とか伍子胥の憂国を改めて学ぼうとかいってたよな……うーん……この文にたいして意味は無いのかも知れませんが、考え始めたら、よけい眠れなくなりました。
それと、寮の部屋の鍵がかからなくなりました。
電池切れだそうです。寮の世話係のひとにが言うに、月曜日にならないと治せないという理由は、土日に出勤しない先生が電池の予備を持ってるから……速攻自分で電池を買い求めて、交換しました。
ドアの赤いランプが点滅するのが、電池切れのサインで、約一年で交換になるそうです。寮住まいの方は注意されたし。
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美院  ]  2008.05.28 01:23:58    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる 给你们留面子
きのう連絡が有り、今日の午前に修士の一、二年と学部三年生と合同講評があるということになった。
いつもの時間にアトリエにいくと、同級生がひとり待っていて、それでも、講評まで時間があるので、臨模の続きをしていた。
そしたら、先生がいつもより早くきて、臨模の指導をして下さった。筆にふくませる水分をもっと減らすことと、漢筆坊の筆が一番いいが先が減りやすいので、よく取り換えること、今使ってる私の筆はコレが使いこなせたらたいしたものだけど、使いにくいよ(私は墨の含みがよくてやわらかくて使いやすいと思っている)、筆を叶筋鉤線にすれば、ということだった。
……と、ここまではわりあいと普通の雲行きだった。
それから、三年生が約束の時間になってもあつまりが悪かったり、全体的に先生に見せる作品が少なかったり、やっつけ仕事が多くて、先生はご不満の色を濃くされていった。
もちろん、中には素晴らしい才能を見せる子もいたし、きちんと努力を積み重ねている様子がわかる子もいた。
そして、先生は三年生を先に解散させ、院生のみを教室に残された。ここからが説教タイムだった。いつもは温和で、あまり厳しいことを言わない先生が、「オレは怒るのは嫌いだ」といいつつも、かなり沸騰していた。
我给你们留面子,毕业展时,你们给我面子!!!!!
意訳すると、いまはおまえ達のメンツを立てて、三年生の前でしからなかったけど、卒展の時にはオレのメンツが立つような絵を描け!!!!、というような意味である。
すばらしい。
ますます、この廬勇老師を尊敬する気持ちが強くなった。日本の感覚だと、なんだよメンツって、と思われるかも知れないが、この先生は、ほんとに絵が、花鳥画が好きなんだなあと思う。まだ自分の画業にも悩みを抱える、のびざかりの若い先生が、こうやって素直に意見をくれるのはとても嬉しいことだ。
私はたいしたことはしてないけど、まだ三年生が教室にいる時に「ホンメイ、アレをだせ!」といわれたので、今は摸写をしてるから、お見せできるものはありません、と答えたら、「こないだの長巻写生だ!」といわれたので、みんなの前で広げる羽目になった。質はともかく、でかくてボリュームがある写生なので、とりあえずみんなびびって見ていた。
「これをみろ、この留学生はとてもがんばっている。1週間でこのくらい描けるんだ。おまえ達は何をしているんだ」と、私の写生をダシに小言をいい始めた。
私は嫌な汗をかいた……その1週間以外は何をしていたのだ、とか突込むことはあるし、よく考えなくても、わたしも写生と臨模をまだやっていて、課題の創作など何一つしてないのだ……はやくこの摸写を終わらせて(花鳥なのにずっと人物の摸写……)、何でもいいから創作をかかないと、六月の期末検査でまたお客扱いされてしまうッ。やっと先生が遠慮なく厳しいことを言ってくれるようになったのに……うちの同級生なんて、講評に絵を持ってこないだけで、実は売る絵をたくさん描いてる(それも先生には不満なのかも知れない)から、自分だけすごく遅れてるのだ……もうすこしでこの一年に区切りをつけなくてはいけない。うー。創作……こんなに中国画がまわりにあっても、自分に正直に描いたら日本画になるので、それが一番悩むとこだ。でも、摸写二周目と期末のレポート提出も頭痛い。
……そういえば、うちの先生が伊集院光に体型も声も似てるということに、最近気がついた。
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美院  ]  2008.05.06 01:32:12    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる 長巻写生とか
訂正:すみません、幅三尺(99cm)のあやまりです、こっちでは幅三尺×六尺で紙を売ってるので、紙屋で「六尺」というと、幅三尺(99cm)の紙を出してくれるので、間違えました。頭煮えてる……
幅三尺(99cm)、長さ(多分)10mの長巻写生をしてます。今日で4日目。
日本産のサクラの黒の顔料ミリペンで、生紙の温州皮紙(幅三尺のものすごい長い巻紙)に花港観魚の芍薬をワーッっと線描で……いまんとこ多分8mくらい描いて、今日の昼に数えてみたら、花が30コ、つぼみが10コくらい有ったような気がする。
花はいくらくしゃくしゃでも、描いてて楽しいけど、葉っぱが死ぬほど苦痛。
すごく苦痛。
マゾなので、葉っぱだけの株を、モワーッと自虐的に描いて、空間を埋めてみたけど、時間かけたわりにはあまり埋まらず、気分が腐って、ギャラリーの観光客に毒を吐いてみたり、花壇に入るアホを怒鳴ってみたりしてしまった。
どうしたら葉っぱが、楽しく描けるのか、これを見ているクリエイターの皆様、日本画の同級生諸君は、ひと言何かコメントしてください。マジでお願いします。
予備校の時から、葉っぱを描くのが嫌いでした。鳥の羽も、魚のうろこも、新聞の文字も、縞々の布も、ドレープも、石膏の頭のくじゃぐじゃも、わりあいと楽しく描けるし、むしろ好きなのに、何故、葉っぱだけが嫌いなのだろう……疎密のバランスとか、曲線の描画とか、平面的なカタチの美と空間の演出をするのに、自分の頭のグラフィックエンジンがメモリ不足で、処理がおいついていないせいだと思う……嫌でも、このままもう20mくらい描いたら、メモリが増えてラクに楽しく描けるようになるのだろうか?がんばれば、来年または再来年は、楽しく芍薬の葉っぱが描けるようになってるのだろうか?……とにかく、お手本のルーチンワーク的な葉っぱは描きたくない。アレを描くくらいなら、自分で苦労してカタチをみつける方を選ぶ。
今学期は、外でなるべく写生をして、雨が降ったら蘭と竹、花が終わったら、あの仙人87人の摸写の2周目をやろうと思う。で、最後の二週くらいは、みんなで摸写室に行って、印刷じゃない模本で摸写をやるっぽい。
全く、作品らしい作品を描いてませんが、低いレベルで自己満足で絵具をムダにするなら、こうやって徹底的に目と腕を鍛える方が楽しいので、今は描きたいイメージがあっても、クロッキー帳で構図をねってるだけで、欲求不満ではないです。もともと、本当にヘタなので、はやく中国人の学生並みに線がひけるようになる方が、大切だと思います。
こないだ中国人で、ムサビで日本画を勉強した方が美院に来られて、明治〜昭和の日本画についての特別講座があって、それを聞きに行った。
やっぱり、日本人が思う日本画と、中国人が思う日本画は違うと思った。よく知らない優れた画家の絵を知ることができたり、違った角度で日本画を見つめ直して、勉強になった反面、中国の人が日本画を語る危険を感じた。
それを知ってか知らずか、うちの花鳥の先輩や同級生は誰も聞きに来なかった。それはある意味、美院の学生として正しいと思った。中国で文人の伝統を受け継ぐ唯一の国立大学の国画系は、純粋に伝統を墨守してこそ、私のような外国人が学ぶ価値があるのだ。
日本画や日本文化は、metamorphoseとcontaminationを繰り返しても、何故か本質は変わらないし、それが特徴であるとも言えるので、むしろ淫乱なくらい積極的に好き放題やるべきだと思う。
私は、例えどんな材料を使っていても、日本人が描くのが日本画、中国人が描くのが中国画だと思うので、私に中国人になる覚悟が無い限り、私は中国画を勉強していろんなことを吸収して技術を高めることはできても、中国画は描けないと思う。(自分の先生も、そんなスタンスで、時におおらかに、時に対中国人より遠慮なく厳しく指導してくれてるので、すごくラクだ。課題は容赦ない量だけど……)これは、同様のことが、その中国の方にも言えると思う。
私は正直、日本画を説明するのに「岩彩画」というのは、好きじゃない。日本画のミソは、ニカワでも岩絵具でもなくて、絵具で光を操ることにあると思うから、あんま即物的なネーミングはあわないと思う。太陽の光を操るのだから、このまんま日本画でいいじゃん、と思う。
……とりあえず、今は黙々と手を動かすのみ。
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