平成21年歌会始の御製(ぎょせい)・御歌(みうた)・詠進歌歌会始の詠進要領(平成22年)歌会始がありました。
去年のうちに自分が詠進させていただいた歌をのせてみます。
今年のお題は「生」です。
雨あがり花咲そろふ春の庭に百五の祖母の生を見おくる
あめあがりはなさきそろふはるのにわにひゃくごのそぼのせいをみおくる
私にとっては曾祖母にあたりますが、母にとっては実の祖母のおばあちゃんが、一昨年の春に天寿を全うしました。そのときの様子を詠みました。春の雨が続く日々でしたが、葬儀の日には晴れ、陽気も暖かく、祖母が世話をしていた庭の様々な花が美しく咲きそろいました。
昨年、ターシャ・テューダーさんも、ご自身のお庭が一番美しい時期に旅立たれました。
参照 : [
訃報 : ターシャ・テューダーさんの旅立ち]
明治は遠くなってしまいましたが、苦難の時代を生き、家族や生き物に惜しみなく愛を与えて旅立っていった人々のことを、ずっと忘れずに、自分たちの後の世代の人にも語り継いでゆきたいです。
来年のお題は「
光」です。
来年のためのご詠進をする時は、落ち着いた字が書けるようになってるといいな。
さて、この歌会始のご詠進にはある重要な決まりがあります。
半紙に筆で書くよう(海外在住者等には配慮があります)にと、募集要項にあります。
私はこれはとても意味のあることだと思います。だから、手漉きの和紙をさがして、墨をすって書いています。
きっと、歌会にご詠進する2万5千人あまりの人々も、和紙にふれ墨と筆で歌を書くことで、歌の背後にある日本の風土や文化を感じられていると思います。和歌だけでなく、日本の文房四宝を受け継いでいくことを、歌会始は密かに支えているのではないでしょうか。
蒐めたる和紙ながめつつそれぞれの漉かれしすべをおもひ語らふ
あつめたるわしながめつつそれぞれのすかれしすべをおもひかたらふ
日本の様々な手漉き和紙に御心を寄せられる、科学者でもあらせられる天皇陛下のご様子を感じることができる御歌です。この他にも当時の皇后陛下(香淳皇后さま)が、楮の和紙に絵を長年描かれたことを詠まれるなど、様々に和紙とのつながりを詠まれた歌があります。
和歌を詠んだり、学んでいくことで、日本の文化の深いところへ、すこしでも近づいてゆけたらと思います。