2008.12.07 14:45:35
「白描」 と日本画で言うと、墨線の美しい平安後期の絵巻や、正倉院のキリンの絵などが思い浮かべられるけど、中国、とくに私の所属する研究室では、「白描写生」の研究と発展に力を入れている。
その研究発表が最近あったので、いろいろメモメモ。
  • 陰影を全くつけない。こすらない。ハッチングなし。かといって、輪郭だけを描くものではない。形やものの構造を簡潔に線で表現していく。
  • 画材は鉛筆、ペン、筆など線が引けるものならなんでもよい。紙もきれいに線が引けるものなら、なんでもよい。生の厚めの宣紙に鉛筆で描くのが一般的だが、熟の宣紙に耐水性のペンや、筆で描くことも。消しゴムは、使うこともあるが、基本使わないか最小限にとどめる。中国では表具が安いので、薄い紙に描かれたり、外での写生で折れ曲がったものは表具しておく。
  • 線の強弱、調子、はじまりととめるところ、など、筆での線描と同様に気持ちを入れて、線を引いていく。鉛筆などの場合は、濃淡にも気を使う。
  • 形の取り方に、中国独自のムーブマンを取り入れたデフォルメが入ることもあるが、基本は自然を自分の中で解釈し、情報を整理しつつ、簡潔に写実的であること。ものの本質を、線でとらえること。気の流れ、視線の流れなども感じながら描いていく。
  • 独立した作品としても、創作の構想としても、基礎の鍛錬としても、価値のある様式である。
LAMYのSafariで、Noodler's の耐光、耐水のインクで白描をしていくことを模索中。
褐色の竹紙や皮紙にブルーブラック系のインクで描くと、とてもいい感じな気がする。もちろんオゾン漂白の自然の白に、黒もとてもすてき。鉛筆の柔らかな線もとてもいいし、自分に無理が無いけど、消せない画材で大画面を作るのになんか意味があると思う。
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Comment

硯で墨を磨るって、うらやましいですね。修了の準備でお忙しいことと思いますが、残りの留学生活を楽しんでください。杭州が懐かしいです。

私の方は仕事に戻るとやっぱり仕事ばかりですね(あたりまえか)。。。最近やっと墨汁を買ってきてどうにかお習字を復活しましたが、学校にいたときせっかく練習したのにまたやり直し、という感じです。

Comment by mitsuko @ 2010.02.20 22:40:23 PM

私は墨を修論のテーマにしたので日常でも墨を磨っています。
ここは墨と筆を中心に中国で特注したものを販売しているサイトですが、お店の方の文房四宝への愛があふれてておすすめのブログです。
こまやかな文章がとても好きです。中国の静かなゆったりした面が楽しめます。
 
墨と硯と紙と筆
http://info.sousokou.jp/
 
残りの留学期間は作品と論文を提出するまで、悶々と…自由な時間ができたら、まだ行っていない杭州の名所をひとつづつ訪れたいです。
絵は、自分の殻を破る…桛をはずす…のがなかなかできなくてつらいです。思い切ってかけばいいのに……体力維持して、とにかくやるしかないですね。

Comment by Hiromi @ 2010.02.25 13:14:08 PM