講評があった。
摸写は最初はダメダメだったけど、最後の方は褒めていただいた。同じをのもう1回やると、中国人よりうまくなると言われたので、長くてものすごい細かい画巻だけど、がんばろうと思った。幸い、今度は日本から持ってきた三椏や雁皮の紙があるので、ずっと摸写しやすいと思う。
それと、最近、筆で写生をするようになったのだけど、ひとつひとつやるのでなく、六尺の紙になるべくたくさんやりなさいと言われた。そして、動物はたまにかいてもいいけど、植物をたくさんやるように言われた。
うちの先生は、エネルギッシュで、手の技至上主義なので、ほんとに自分にあってる。
ニュースはイヤなことを伝えるけど、でも、先生はまじめに絵のことしか考えていないので、こういう素晴らしい人に触れあって絵を描くエネルギーをもらうのは、とてもいいことだと思う。
私のように、中国の文化にどっぷりハマってるのは、今の日本では「左巻きの文化人」になるのだろうか?
そんな、了見のせまいことは考えたくない。
先生は、今日の講評で、論文に割く力をなるべく絵の方へ向けろと言い、ついでに美術史の研究を、時代や政治体制や国で区切るのは、とてもアホらしいことだ、と言い放った。私の絵も、日本画とか中国画とか考えずに、ここで学べることを、できるだけ学び、自分の納得する絵だけをかくようにがんばろう。
今の私は、苦しんでいる人のために、直接的には何もできない。でも、人の心に響く絵を描くようになれたり、手の技をつけて文化財保存のために役立てるようになれば、いま雪の国で苦しんでいる人々や、壊された寺院のために、きっと何かできるようになると思う。そして、古い中国と日本の師弟のような関係を、ちゃんとつなげるようになりたいと思う。日本画が好きだから、中国画の厳しくて普遍的な筆の使い方を学ぶんだ。でも、それは本当は中国も日本も関係ない、筆で線をひく文化のコアなんだ。
……しっかし、ここんとこ誰とも話さないで絵ばかり描いてるから、中国語の発音がアホになってきてる。HSK……。
善光寺さんの勇気ある行動に感謝し、善光寺さんにあつまるみんなの無事を祈ります。