12月からがんばってた八十七神仙図巻の摸写、おわったよ……。
途中、日本帰国で一ヶ月半ほどできなくて、正味2ヶ月くらいでおわった。
先輩には「1ヶ月でできるだろ」とか、「遅ーい」とか「まだやってるの」とか普通に言われてたけど、いい加減にやりたくなかったから、ねばった。
最初は筆屋の場所も、何の筆が自分に合うのかわからなかった上に、持ち方も慣れなくて、線も汚くてフラフラで、でも、まあ、最後はやっと筆が持てるようになって、描くのが楽しくなった。本当は半分やれば、課題クリアーだったけど、先生に全部やらせてくれって言った。そのかわり、これが終わらないうちは、他のことはやるなと言われた。よかった。先生ありがとう。がんばれた。
こんなの摸写しても絵のうまい下手にはあんま影響しないと思うけど、でも、絵描きとしてのフィジカルはだいぶ鍛えられた気がする。
線ビッチリの摸写だったけど、これで線がどうこうとか、言いたくない。
線とか白描は、うちの研究室の共同の研究課題だから、これからも突き詰めて行かされるけど、中国人と同じアプローチはしたくないし、しても負けるし、同じことやっても意味ないし、そんなの期待されてない。いちおー、中国の古めの論文の翻訳をしつつ、理系的な方面から外堀を埋めていって、視覚の構造をもいちどきちんと理解した上で、理性的にスマートに画論を解きほぐして、日本人にわかりやすく筆での表現の価値を伝えられたらなー、とか思う。とにかく、目的はいい絵が描けることだから、もっとcoolに、でっかくおおらかな視点で自由に美へのアプローチをしていきたい。
線に固執して、ドツボにハマるのは避けたいけど、実際問題、筆がきちんと使えてないと、中国では評価の対象にならない。あと、筆での表現力が上がると、基底材や地を生かした、「塗らない絵」が描けるようになる……ハズ。
これがスタートラインだけど、終わったことは、とにかく嬉しい。保存にいたときは、長い絵巻物を短期間でうつし終わるなんて、夢みたいなことだったから。
おばあちゃんの命日の前に終わらせられたのもほんとに嬉しい。明日は、中国のお寺だけど、お線香をあげにいこう。