私が杭州で紙を買うのは、カルフールの近くの杭州書画社か恵民路の市場の二階にある、二つの紙屋さんだ。
……といっても、宣紙や中国の伝統の紙にどんなものがあって、どんなふうに絵具が乗るのか、まだ全然分っていないので、買いに行く度に長居をして話を聞く。中でもお気に入りは、恵民路の市場の二階の女主人のいる紅星牌の専門店だ。何も知らない私に、いろいろ教えてくれるし、やたらに売りたがらないのもいい。あと、煙草を吸わないので、店の中が中国の画材屋にしてはきれいである。
同じ市場のもう一つの紙のお店は、若い男のラオバンがキーボードがヤニだらけになるほど煙草を吸いまくっていて、やたら売りつけるのが苦手だ。日本の和紙や洋紙の専門店に親しんだ私にとっては、卒倒モノだ。紙は呼吸しているものなので、紙のたくさんあるところで煙草を吸えば、紙に煙草を吸わせているようなものだし、防災上も極めて危険だ。
かみりんく
中国宣纸集团公司 : 紅星牌とよばれる一番大きいメーカー
汪同和宣纸有限公司 : ここの厚めでドウサが強い紙は、日光に当たると色が変わるけど
(いいの?)、消しゴムかけてもけば立たないので、大型野外スケッチに便利。
曹光华 : 公式な会社のサイトはまだ無い。歴史の浅い会社ながら、品質が高いことで注目されてるブランド。紅星牌がスタンダードだけど、紙屋の女主人によれば、最近は紅星牌は品質の低下が激しく、曹光华がオススメだという。
泾宝堂 : 安徽省泾县の紙の代理店。いろんな紙屋さんへのリンクあり。
书法江湖文化商城 : 文房四宝の様々な工房があつまるネットショップ。
宣紙は安徽だけでなく、四川や福建などにも産地があります。四川の紙もなかなか良かった記憶があります。
とにかく、慣れ親しんだ和紙とは全く違う目的で作られ、全く違う使い方をされているのが宣紙なので、使いこなすには相当がんばらないといけない。
といいつつも、チキンだから、直で半年分くらいの本画用と裏打ち用と透き写しにつかえるロール和紙を、3万円分くらい購入してもってきてます。ホントは薄美濃や雁皮の手漉きのを買いたかったけど、資金不足で断念。直のロールは質が均一で大きいので、応用効くし。やっぱり日本のキメが細かくて、しっとりした艶のある紙はいいわあ……。
今の中国の紙は、全体的に硬くて乾きすぎてる印象がある。昔の、やわらかいけど密度があってなめらかで、薄いのにふかふかした感じのするホントにいい宣紙には、なかなか出会えなくなりました。いまのは、墨の発色が単調で、滲みの階調が乾くと消えちゃう紙ばかりで、ドウサがきつすぎるのが多い。