先生に課題の写生を見てもらう。
中国の写生と日本の写生はかなりちがう。
見せる度に、みんなにも先生にも、「もっときれいにかけ」といわれる。遊びの線があったり、リアルに描いて、線が有機的になりすぎるとよくないみたい。
もっと線だけで、ぴっちりといきいきとかかないとだめみたい。
日本の写生は、遊びの線があったり、画家の試行錯誤や迷いがあっても許されるし、それがまたいい味となったりするし、それに、きまりなんてない。みんな描きたいように好きにやればよかった。そこから、それぞれのインスピレーションが生まれたりするから。
中国の写生、特に花鳥は、味なんて許されない。一発で、勢いよく、簡潔に、上品に描かないといけない。
同級生が、細いサインペンだけで三六のでかい紙に、一回も消しゴム使わないで、失敗もなく、ものすごい精密な線描を10枚も描いてきた。よくみるとかなり生物学的な嘘がはいってるし、単調だったり、硬いかもしれない。でも、この技術って何!
デッサン力が絶望的に無く、何回も消さないと目的の形に辿り着けない私(この時点で画家としての適性が危うい
)にいちばん欠けてるものだ
。
いつも二人でアトリエを使ってる先輩が言った。
「こっちは北と違って、何でも細かく描けばいいってものじゃないのよ。簡潔な線で表現するのが、南なの。文人画だったり、禅宗の影響があるのよ。あなたも文化財とか勉強してたなら、この意味わかるでしょ」
あうあうあー。
先生には、びしばし自分の写生に線をキメられ、目からうろこ。あと、先生はすごく解剖学的な構造を大切にする。とりあえず、日本から猫と動物の解剖学の本を持ってきてて良かった。
しかし、線を引くのはむずかしい。
とりあえず、花の写真のプリントアウトを何回もなぞって、手に線をおぼえさせるようにした。
画家としてどうよ、と思われるかも知れないが、だって、崖っぷちなんだもの。書が納得いかない先輩は、となりでやっすい絹をトレペ替わり(こっちでは信じられないほど、絹の扱いは雑。木枠に張るのも稀)にして、蘭亭をうつしたりしてる。夜中にひとりでアトリエに残って、保衛に何回もチェックされつつ、ひたすら写真をなぞってみた。それからちょっと描いてみたら、わずかにマシになったかな。夜中で頭おかしくなってるせいで、朝みたら絶望かも。
あとは少しづつ書の練習してる。アトリエで精根尽き果てたら、部屋に戻ってきて、寝る前に自分も毎日すこしづつ蘭亭やってる。みんな懸腕直筆にしなくていいと言うけど、幸い、自分は筋力があるので懸腕直筆でもそんなに疲れないし、筆が自由になる気がしてこっちの方が下手は下手なりにコントロールが利く。でも、隷書しかやったことないから隷っぽい部分は分っても、楷書や行や草っぽい部分はさっぱりわからない。とりあえず、すこしまともに見えるようになったら、留学生の先生のトコへいって教えてもらおう。
そういやHSKなんてものがあったな。全然勉強してない。こっちも崖っぷちだ。八級は临战磨枪じゃとれないよー。