杭州  ]  2007.11.21 10:57:46    このエントリーをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークする このエントリーを含むはてなブックマーク はてなポイントをあげる 四門出遊
一週間前くらい、毎日動物園へスケッチに行っていた。
当たり前だけど、保育園や小学生の子供がしぬほどやってくる。中国のガキは本当にしつけがなっていない。ガキのせいで効率がかなり落ちたことは否めない。私のかばんを踏むな。のしかかって絵を見るな。……動物への優しい気持ちなんて言うまでもなく、無い。
そこへ雰囲気の違う一団がやってきた。知的障碍を持つ子供の集団で、中国にもやっぱり養護学校みたいなものがあるのだろう。この子達はおおむねおとなしい。
でも、この子達の集団は何か違う……障碍があるからではなく……よく見ると、1つのグループに2人の制服の警官(ガードマンではなくちゃんとした公安)が必ずついている。彼らは養護学校の先生をサポートして、おだやかな眼差しで子供と手をつないだりしながらも、周囲に気を配っているようだった。こういうグループを何回も見かけたから、規則みたいのがあって警官がついているのかも知れない。
こういうとこは、人のいっぱいいる中国ならではだろう。養護学校の1クラスに2人の警官のサポート、見学時だけかも知れないが、いいことだと思う。つか、日本は崩壊校に警官を常駐させるべき。表に出てることなんてホンの少し。一般人が想像できないほど、日本の崩壊校は狂ってる。
日曜日には剣道へ行く。防具をもって。
行きのアクセスはバス一本なので楽。帰りはバスのルートが違うので、面倒。しかも日曜で、人が多すぎて途中からバスの乗り換えもままならず、タクシーもつかまえられず、防具を背負って杭州でいちばん賑やかな通りを3kmくらい歩いたりする。
杭州はとにかく乞食が多い。
歩いていて鬱になる。
防具を背負いながら、何も見たくない気持ちで歩いていると、歩道橋のとこにいる乞食に、中国人の学生が何か調査をして、毛布みたいのをあげてるのを見た。すごい。中国人でもそういう活動を学生がするんだ……学生の手には数珠があったので、仏教系の奉仕団体かも知れない。いいことだけど、焼け石に水。でも、そういう心は貴重だ。私の心も少し明るくなった。
美院からちょっと歩くところに、画材の市場がある。そこへ行く時に、呉山広場という観光スポットを通る時もある。そこを通りすぎていた時、おばあさんが立っていて金を要求された。
私は仕方なく財布の小銭(角のみ元はやらん)をあげた。そしたら、もっと要求してきた。何この図々しさ。それだけの気力があれば、何かで口に糊することはできるのに。
やっぱり、乞食に軽々しく金を恵んではいけない。
さらに歩くと小吃の店がたくさんあるとこを通る。私は串揚げみたいのをつい買ってしまった。そしたら出稼ぎ一家の子供か、本職の乞食か知らないが汚い子供が、私がごみ箱に串を捨てようとしていたのを目ざとく見つけて、それをとっていった。
多分、残っていた衣を食べたりするんだろう。
……そんときに「谢谢,姐姐」って……私はオマエの姉さんじゃないっ……意味的には年上の女性に対する親しみある呼称だけど、ヤダヤダヤタ゛----------。
ある西洋人の友達が、西湖のかなり賑やかなあたりで、乞食に「おめぐみください」とわれた。彼は買い物がえりだったので、ヨーグルトを1つあげた。そしたらものすごい勢いで乞食が集まってきて、彼を取り囲んでかばんや買い物袋からいろんなものを奪おうとした。彼は恐ろしくなって走って逃げた。彼は背が高く小太りで金髪で、いかにも金があるように見える。でも、西湖の畔でそんなこと……しかし、それが現実。彼はもう二度と西湖の畔へは行きたくないそうだ。
成都にも、ものすごい数の乞食がいる。杭州も成都も、人が優しいから、中国人でも簡単に乞食に金を投げる。杭州でも何度もいろんなタイプの中国人が、乞食に恵むのを見た。上海の人は絶対に乞食にお金を投げないそうだ。杭州も成都も、中国の他の地域に比べたら、自然環境はいいし、食べもの屋がいっぱいあるし、外国人が多いし、仏教が生きてるし、政治の締めつけもゆるいから、乞食がたくさん集まってくるのだろう。
乞食に恵むとか慈善活動とか寄付とかボランティアの問題は、すごく悩ましい。
でも、身の安全を考えたら、素人は決して道端の乞食に関心を持ってはいけないし、軽々しく何かあげてはいけない。
わざとらしく四門出遊なんてタイトルつけたけど、私の北の門はどこにあるのだろう?いつ開くのだろう?
日本で私が通っていた大学の近くに上野公園があって、乞食がテントをはって集団生活をしていた。前途洋々たる芸術家の卵たちは、毎日それを見ながら登下校していた。特に美術の人間にとって、それが自分の最も可能性のある未来像に見えて、毎朝毎朝、作品に向かう直前に憂鬱な気分にさせられていたという者も少なくない。
今は石原さんのせいか、乞食は池ノ端の方へ動かされて、公園は改装されて、通学路になるあたりはとても明るくなった。今の学生は幸せだ。
昔は天皇陛下や皇族方、外国のVIPが博物館に来る度に、乞食は退避させられて、VIPが帰ると何事も無く戻ってきていた。私はそれがものすごくイヤだった。天皇陛下もホントのことをご存知だと思う。石原さんは少しいいことをしたかもしれないけど、乞食はまだ上野公園にいるし、東京じゅうにもっとたくさんいる。
これがあるべきあたりまえの世界の姿だと思えば、何も気にならないのだろうけど、いちおー、私は繊細な芸術家です。
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